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慣らし事例

対応ファーム v0.200 / 最終更新 2026-07-16

ダッシュ系モーターをMBC2で慣らすための、具体的なプログラム設定例です。それぞれ「なぜその電圧・時間にしたのか」という考え方を中心にまとめています(実測ログではなく、設定の解説が中心です)。背景の理論は慣らしを学ぶ>銅ブラシとカーボンブラシで慣らし方を変えるを参照してください。

このページの内容
  1. 共通の考え方
  2. マッハダッシュを慣らす
  3. ハイパーダッシュを慣らす
  4. パワーダッシュを慣らす
  5. スプリントダッシュを慣らす
  6. 補足:Low Voltage Mode

1共通の考え方

目的: カーボンブラシ系のダッシュモーターを、人が付きっきりにならなくても、同じ条件で慣らせるようにする。

ダッシュ系モーターは銅ブラシのチューン系と違い、低電圧・長時間でじっくりブラシ圧を抜く慣らし方が向いています。そこで、どの事例も次の2段階構成にしています。

ステップ内容ねらい
1〜23.0V ・ 正転/逆転 各1分結果確認フェーズ:慣らし前の回転数を記録しておく
3〜4慣らし電圧 ・ 正転/逆転 各1時間慣らし実行フェーズ:低電圧でブラシを慣らす

この2段階を1サイクルとして、Target(目標回転数)に届くまで繰り返します。ただしTargetは高めに設定してあります。届いたら儲けもの、くらいの位置づけです。実際には多くの場合、rStop(回転上限)に達するか、Cycle(最大サイクル数)が20に達したところで終わります。

rStopの15.0M(1500万)回転は、モーターの寿命を縮めすぎないための措置です。慣らしは突き詰めるとブラシを削る行為なので、回しすぎれば寿命が縮みます。累積の回転数で歯止めをかけています。慣らしの目安としては、正転・逆転を1時間ずつ×12サイクルほどを想定しています。

CycleとrStopの適切な値は、ロットによって違う場合があります。ここに挙げた値はあくまで出発点として使い、お手元のモーターの様子を見ながら調整してください。
慣らし電圧は「だいたい10000rpmで回るくらいの電圧」を基準にしています。手元の個体によって回転数は変わるため、あくまで出発点としてご利用ください。

事例ごとに電圧が1.1〜1.5Vとばらついているのは、この基準のためです。もともと回転数が低めのモーターほど高い電圧を、高回転型のモーターほど低い電圧をかけることになります。モーター別の回転数の傾向は慣らしを学ぶ>参考:モーター別のおおよその「適正負荷時」の回転数の表が参考になります。

共有リンクからMBC2に書き込む

各事例の「共有リンクを開く」を押すと、PC用ツール MBC2 Program Editor がその設定を読み込んだ状態で開きます。本体のツマミで1件ずつ入力しなくても、そのまま書き込めます。

  1. 内容を確認する
    名前・Cycle・rStop・Target と、5ステップぶんの電圧・方向・実行時間・冷却時間が表示されます。電圧と時間には必ず目を通してください。
  2. MBC2をUSBでつなぐ
    Google Chromeで開き、MBC2と接続します(SafariとFirefoxでは動作しません。Macの場合もChromeを使ってください)。読み出しが極端に遅いときは、一度「切断」を押してつなぎ直すと素早く読み込めます。
  3. 保存先の番号を選んで書き込む
    No.1〜50 から保存先を選んで書き込みます。EEPROMに保存すれば、本体の電源を切っても内容が残ります。
共有リンクを開くと「総実行時間が◯時間と24時間以上です」という注意が表示されます。これはCycle=20をフルに繰り返した場合の見積もりです。実際にはrStopに先に達して終わることも多く、その場合はこれより短くなります。いずれにしても長時間の慣らしになるので、時間に余裕をもって始めてください。

ツールの全機能(50件の一括読み出し、コピー、自分のプログラムの共有リンク作成など)はMBC2を使う>PCツール(Web Serial)で編集するにまとめています。ツール本体はこちらから直接開けます。

2マッハダッシュを慣らす

慣らし電圧(Step3/4)1.2V
目標回転数(Target)38,000rpm
プログラム設定共有リンクを開く

マッハダッシュは高回転型に分類されるため、ある程度、慣らしでの回転数を落とす必要があります。そのため1.2V程度がよいと思われます。

3ハイパーダッシュを慣らす

慣らし電圧(Step3/4)1.5V
目標回転数(Target)33,000rpm
プログラム設定共有リンクを開く

ハイパーダッシュは、カーボンブラシ系のなかでは比較的回転数が低い傾向にあります。そのぶん慣らし電圧を高めにとって1.5Vとしました。4つの事例のなかではもっとも高い電圧です。

4パワーダッシュを慣らす

慣らし電圧(Step3/4)1.2V
目標回転数(Target)35,000rpm
プログラム設定共有リンクを開く

パワーダッシュは、ハイパーダッシュよりも回転数がやや高くなる傾向にあります(個人的な感想です)。そのぶん慣らし電圧は少し下げて1.2Vにしています。

5スプリントダッシュを慣らす

慣らし電圧(Step3/4)1.1V
目標回転数(Target)38,000rpm
プログラム設定共有リンクを開く

スプリントダッシュは高回転型です。電圧を上げすぎると寿命を浪費してしまうので、1.1Vと控えめにしています。1.2Vでも構いません。

6補足:Low Voltage Mode

低い電圧で慣らしていると、ブラシの削りカスが詰まって回転が止まってしまうことがあります。ここに挙げた事例の1.2〜1.5Vくらいなら、詰まることはあまりありません。ただし1.2Vより低い電圧にすると、止まる場合が出てきます。たとえば0.8Vでパワーダッシュを慣らそうとすると、たまに止まります。

止まってしまうと、そのあいだ慣らしが進みません。それだけでなく、回転が止まっている最中に電圧をかけ続けると、コイルが過熱してモーターが壊れる原因になるかもしれません。

そこで使うのがLow Voltage Modeです。回転が止まったことを検知すると、自動的に少し高めの電圧をかけて回転を復帰させます。回り出せば、元の慣らし電圧に戻ります。設定画面の Low Voltage Mode で電圧を指定してください(noneで無効)。

Low Voltage Mode は、設定した電圧より低い電圧のステップにだけ働きます。またプログラム実行中のみ有効で、Manual実行では働きません。詳しくはMBC2を使う>設定画面を参照してください。